Naguri

今日は、PARIS&DESIGN WEEK 2016 Japan design nowに出展した作品“Naguri”についてお伝えしたいと思います。

作品の名前にもなりました「名栗（なぐり）」とは角材に”突き鑿（のみ）”や”ちょうな”などで独特の削り痕を残す日本の伝統加工技術のことを言います。
名前の通り、主として栗材に施されていました。栗は水に強く、いい光沢が出るためというのが理由のようです。

しかしながら、今では機械の技術が進み、職人技として手作業で行われていた名栗加工も機械で表現されることが多くなりました。

2016年にパリに出展しました”Naguriキッチン”は日本の伝統技術を世界に知ってもらうべく職人による手作業で丁寧に作り上げました。
さらに仕上げは拭き漆仕上げとし、日本の美しい紅を表現しました。

また檜のカウンターの隙間から柔らかく注がれる灯りが「名栗」に光と影をもたらせ、薄暗い明かりに象徴される日本の伝統美”陰翳礼讃”を表現しました。
日本の竹を使用した水栓やシンクを隠すことができるまな板など細部に至るまでこだわりました。

フランスでも伝統技術や工藝に興味のある方は多く、出展した際にはたくさんの方々がこの”Naguriキッチン”を見て、日本の技術を知っていただくことができました。

こちらの”Naguriキッチン”は日本に帰国後、バーカウンターに姿を変えて創作鉄板料理”神戸とんぼ”に設置することになりました。

神戸とんぼは弊社がデザイン等をプロデュースさせていただいた料理店になります。
日本の伝統技術と工藝がふんだんにあしらわれた空間となっており、”Naguriキッチン”も空間を引き立たせる作品として活躍しています。
神戸とんぼにつきましては近々ご紹介させていただきたいと思います。

また次回のblogはパリで大変話題になった”型紙ランプ”について紹介したいと思います。

BLOG:Chihiro Goto